ゲーム評じゃなくて、純粋に、ゲームについて書いてみよう。と、思いつきました。
ということで、「ピノッチアのみる夢」(byタカラ)について、ちょっとお時間を下さい。
これはPS用の古いゲームで、プレイするのも苦痛、システム最悪で救いようもないゲームで、エンディングはたっぷりあるものの、管理人が一度もGOOD・EDを見たことがない、というゲームです。
本当にプレイしてるとダルさがいっそ苦痛なほどなのですが、解釈のしようによっては、本当に厳かな感動をよびさます、侮れないゲームなので、マイナーとは知りつつもご紹介します。
国からその技術を評価された人形師だけが、魂を込めた「ピノッチア」という人形をつくることができる世界。
ピノッチアは人間の言葉を話し、人間のように動くことができます。
けれど人形なので、永遠にそのままの姿。
成長はしない、高価な高価なお人形。
主人公(プレイヤー)は、長年理想としていたピノッチアをつくるため、命を削って作業をするうちに、クリスマスイブに倒れてしまいました。
体力の限界を知り、神に祈りつつピノッチアの誕生を願ったとき、奇跡が起きました。
作りかけていた人形に命が吹き込まれ、一体の「ピノッチア」が生まれたのです。
ピノッチアは人形なので、人間と違って成長などしないはず。
けれど、人形師が育てていくうちに成長し、やがて個性豊かなピノッチアに育っていく・・・!
システムは、ピノッチアに家庭教師をつけたり、しつけたりするうちにパラメーター判定で男女6種いずれかのピノッチアに成長します。
とまどいつつもピノッチアを慈しむ人形師。
赤子のように、なんでも純粋に受け入れるピノッチアは、時には人形師の言うことを聞かなかったり、トラブルはたえない。
ある日、外で近所の人間の子供達に袋叩きにあっているピノッチアを見つけます。
慌てて駆け寄ると、ピノッチアは泥だらけの体でこう言います。
「わたし、怪我しても、血がでないのがおもしろいんだって。ねえ、これっておもしろいの?」
「・・・・・・!」
そんなピノッチアに、あなたならどう接しますか。
人形師は神様だ、とピノッチアは言う。
私に命を吹き込んでくれた、だから神様なんだ、と。
それゆえに、また人間の子供にからかわれ、馬鹿にされ、「うそつき!」といじめられるピノッチア。
人形師は、ピノッチアに「嘘をつくことは、いけないこと」と、きつく諭します。自分は決して、神などではない、と。
そんなピノッチアが大きくなり、あるとき、村のエイプリルフールのイベントで、「大きな声で嘘をつこう」というものに出席することになった。
けれど人形師に、けして嘘はつかないと約束したため、ピノッチアは、代わりに自分の夢を大きな声で言います、と宣言。
そして言うのです。
「私は、人間になる!!」
ピノッチアが人間になる、という、たかが人形の戯言に、会場中が大爆笑。
最高の嘘だと、皆が転げまわって笑います。
でもピノッチアは、不安げに人形師を振り返るのです。
「私、何か、おかしいこと言った?」
冬には雪にはしゃぐピノッチア。
微笑ましく見守る人形師が「寒いでしょう、はやくこちらにいらっしゃい」と声をかけると、ピノッチアはとまどったようにつぶやきます。
「そうか・・・・雪って、冷たいんだ?・・・・知らなかった・・・・」
どれほど人間に近づいても、人間と同じように愛情をそそいでも、しょせん人形は人形。
その現実に打ちのめされたある日、あの、運命の日―クリスマスイブ―が近づいてきました。
「あなたは去年のクリスマスイブに、生まれたのよ」
そう語る人形師に、ピノッチアは応えます。
「うん、知ってるよ。命さえも捧げて、懸命に祈っている声が聞こえたの。だから、自分はここにやってきたんだよ」
「・・・・そう、あの祈りが届いていたのね・・・・」
ここから先は、パラ等によって、エンディングが何種類にも分かれるのですが。
私が一番心に残っているのは、ほかでもない「BAD・ED」。
人形師に、ピノッチアは語りかけます。
「あなたが呼んでくれたから、望んでくれたから、私はここにいる。ねえ、だから約束して。この先も絶対に私をひとりぼっちにしないでね」
「ええ、約束ね・・・」
画面転じて、葬式のシーン。
「ねえママぁ」
あどけない子供が、しゃべります。
「ねえ、おばちゃまの人形、泣いてるよ」
「シーッ、静かになさい。いま、そのおばちゃまのお葬式の途中でしょ」
「でもママ、本当だよ、お人形が泣いてたんだよ」
画面切りかわり、イスの上にポツンと置かれている粗末な人形。
服も着せられず、丸裸でいるその人形は、たしかにピノッチアと同じ髪型をしているが、以前の姿のおもかげもなく、ただ窓辺のイスに置かれている。
ピノッチアの震える声が流れます。
「ひとりに、しないで・・・・」
The End。
このラストシーンについては、10年経ってもいまだに答えが出ない。
推理すると、2種に解釈できるのである。
1)ピノッチアと死ぬまで一緒に末永く暮らした人形師は老いて死に、ピノッチアが取り残された。
2)『成長するピノッチア』は、実は死ぬ間際に人形師が見た幸せな夢。人形師は最初のクリスマスイブの日に、本当は息絶えていた。
多分、2)だと思うんですよ。
話の流れやスチルから邪推すると。
1)だと何てこともないお話なんですが・・・・2)だとしたら、ものすごくやるせない。
いまだに心に引っかかって、取れないトゲのような存在のこの「ピノッチアのみる夢」。
意外と攻略が難しく、わたしは何度チャレンジしてもBAD・EDもしくはノーマルEDで、一度たりともハッピーエンドを見ていない。
しかしマイナーすぎてちゃんとした攻略サイトも存在しない。
システムはダルいし、本当にプレイしていると苦痛でしかない。
それでも忘れられない1作として、いまでも私の記憶にとどまっているソフトである。
ということで、「ピノッチアのみる夢」(byタカラ)について、ちょっとお時間を下さい。
これはPS用の古いゲームで、プレイするのも苦痛、システム最悪で救いようもないゲームで、エンディングはたっぷりあるものの、管理人が一度もGOOD・EDを見たことがない、というゲームです。
本当にプレイしてるとダルさがいっそ苦痛なほどなのですが、解釈のしようによっては、本当に厳かな感動をよびさます、侮れないゲームなので、マイナーとは知りつつもご紹介します。
国からその技術を評価された人形師だけが、魂を込めた「ピノッチア」という人形をつくることができる世界。
ピノッチアは人間の言葉を話し、人間のように動くことができます。
けれど人形なので、永遠にそのままの姿。
成長はしない、高価な高価なお人形。
主人公(プレイヤー)は、長年理想としていたピノッチアをつくるため、命を削って作業をするうちに、クリスマスイブに倒れてしまいました。
体力の限界を知り、神に祈りつつピノッチアの誕生を願ったとき、奇跡が起きました。
作りかけていた人形に命が吹き込まれ、一体の「ピノッチア」が生まれたのです。
ピノッチアは人形なので、人間と違って成長などしないはず。
けれど、人形師が育てていくうちに成長し、やがて個性豊かなピノッチアに育っていく・・・!
システムは、ピノッチアに家庭教師をつけたり、しつけたりするうちにパラメーター判定で男女6種いずれかのピノッチアに成長します。
とまどいつつもピノッチアを慈しむ人形師。
赤子のように、なんでも純粋に受け入れるピノッチアは、時には人形師の言うことを聞かなかったり、トラブルはたえない。
ある日、外で近所の人間の子供達に袋叩きにあっているピノッチアを見つけます。
慌てて駆け寄ると、ピノッチアは泥だらけの体でこう言います。
「わたし、怪我しても、血がでないのがおもしろいんだって。ねえ、これっておもしろいの?」
「・・・・・・!」
そんなピノッチアに、あなたならどう接しますか。
人形師は神様だ、とピノッチアは言う。
私に命を吹き込んでくれた、だから神様なんだ、と。
それゆえに、また人間の子供にからかわれ、馬鹿にされ、「うそつき!」といじめられるピノッチア。
人形師は、ピノッチアに「嘘をつくことは、いけないこと」と、きつく諭します。自分は決して、神などではない、と。
そんなピノッチアが大きくなり、あるとき、村のエイプリルフールのイベントで、「大きな声で嘘をつこう」というものに出席することになった。
けれど人形師に、けして嘘はつかないと約束したため、ピノッチアは、代わりに自分の夢を大きな声で言います、と宣言。
そして言うのです。
「私は、人間になる!!」
ピノッチアが人間になる、という、たかが人形の戯言に、会場中が大爆笑。
最高の嘘だと、皆が転げまわって笑います。
でもピノッチアは、不安げに人形師を振り返るのです。
「私、何か、おかしいこと言った?」
冬には雪にはしゃぐピノッチア。
微笑ましく見守る人形師が「寒いでしょう、はやくこちらにいらっしゃい」と声をかけると、ピノッチアはとまどったようにつぶやきます。
「そうか・・・・雪って、冷たいんだ?・・・・知らなかった・・・・」
どれほど人間に近づいても、人間と同じように愛情をそそいでも、しょせん人形は人形。
その現実に打ちのめされたある日、あの、運命の日―クリスマスイブ―が近づいてきました。
「あなたは去年のクリスマスイブに、生まれたのよ」
そう語る人形師に、ピノッチアは応えます。
「うん、知ってるよ。命さえも捧げて、懸命に祈っている声が聞こえたの。だから、自分はここにやってきたんだよ」
「・・・・そう、あの祈りが届いていたのね・・・・」
ここから先は、パラ等によって、エンディングが何種類にも分かれるのですが。
私が一番心に残っているのは、ほかでもない「BAD・ED」。
人形師に、ピノッチアは語りかけます。
「あなたが呼んでくれたから、望んでくれたから、私はここにいる。ねえ、だから約束して。この先も絶対に私をひとりぼっちにしないでね」
「ええ、約束ね・・・」
画面転じて、葬式のシーン。
「ねえママぁ」
あどけない子供が、しゃべります。
「ねえ、おばちゃまの人形、泣いてるよ」
「シーッ、静かになさい。いま、そのおばちゃまのお葬式の途中でしょ」
「でもママ、本当だよ、お人形が泣いてたんだよ」
画面切りかわり、イスの上にポツンと置かれている粗末な人形。
服も着せられず、丸裸でいるその人形は、たしかにピノッチアと同じ髪型をしているが、以前の姿のおもかげもなく、ただ窓辺のイスに置かれている。
ピノッチアの震える声が流れます。
「ひとりに、しないで・・・・」
The End。
このラストシーンについては、10年経ってもいまだに答えが出ない。
推理すると、2種に解釈できるのである。
1)ピノッチアと死ぬまで一緒に末永く暮らした人形師は老いて死に、ピノッチアが取り残された。
2)『成長するピノッチア』は、実は死ぬ間際に人形師が見た幸せな夢。人形師は最初のクリスマスイブの日に、本当は息絶えていた。
多分、2)だと思うんですよ。
話の流れやスチルから邪推すると。
1)だと何てこともないお話なんですが・・・・2)だとしたら、ものすごくやるせない。
いまだに心に引っかかって、取れないトゲのような存在のこの「ピノッチアのみる夢」。
意外と攻略が難しく、わたしは何度チャレンジしてもBAD・EDもしくはノーマルEDで、一度たりともハッピーエンドを見ていない。
しかしマイナーすぎてちゃんとした攻略サイトも存在しない。
システムはダルいし、本当にプレイしていると苦痛でしかない。
それでも忘れられない1作として、いまでも私の記憶にとどまっているソフトである。
PR
COMMENT