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今日も生き恥さらします。 明日も生き恥さらします。 真の武士 ―オタク― になるために・・・。
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萌えではないのだが、今読んでいる本が面白くてたまらない。

日本史をゼロから無限まで理解している著者の、歴史への切り口が本当に面白い!!
私がそれまで思っていたものや一般論、ことごとく違って新しい発見!!

まず、一番びっくりしたのが、源頼朝&義経の兄弟げんかの原因である。

それまで、何となく、「義経が天才的で、人望もあついのを驚異と感じた兄が、ヤツが朝廷から位をもらったのを口実に追い落としにかかった」と思っていた。
ちなみに遙か3で、義経の運命を上書きする最大ポイントはここだった。
「別にお兄ちゃんの許可を得ずにご褒美(官位)をもらったくらいで目くじらたてるなよ・・・頼朝ってば心せまいなぁ」と、正直思ってたりした。

ところがだ。

そうじゃない。

頼朝が怒ったのはそういうことじゃない。

いわば頼朝は「日本国(株)」(←社長は天皇)から独立し、「(有)鎌倉幕府」(←社長はもちろん頼朝)を作ろうとしていた。
なのに、有限会社の重要なポストにつくはずの実の弟が、日本国株式会社の管理職をもらってしまったのだ。

なっ・・・ちょっ・・・・馬っ・・・

だーかーらぁ、独立しようとしてんのに、
そのためにこれだけ人が苦労してんのに・・・・

馬鹿かこの弟!!


頼朝、ブチ切れですよ。


さらに言えば、壇ノ浦の合戦。
義経の圧勝、平家壊滅、やったじゃん!!お兄ちゃん、ここは義経を褒めてあげるところですよ!
・・・となるはずですが。

義経はべつにここで平家を滅ぼさなくても良かったのだ。
そこまでは頼朝も望んでいなかった。
平家など、あとでどうにでも調理できたのだ。
「アレ」さえあれば。
そう、「アレ」さえあれば、平家なんざ一ひねりである。
食わせ物の後白河法皇さえも黙らせ、武士のための新たな組織、(有)鎌倉幕府をすんなり建設できたはずなのだ。

「アレ」・・・・三種の神器。

ところが義経、空気を読まないので、平家を滅ぼすことしか頭にない。
平家にとって、三種の神器は命よりも重く、死んでも源氏なんざにくれてやる気はない物だった。
自らともろともに、海の底に沈める気だった。
慌てふためいた源氏軍、なんとか「玉」と「鏡」は回収できた。
だが剣は、平家とともに海に沈んでしまい、回収不可能になってしまったのだ。


なっ・・・・ちょっ・・・馬っ・・・

だーかーらぁ、独立しようとしてんのに、
そのためにこれだけ人が苦労してんのに・・・・

馬鹿かこの弟!!


頼朝、ブチ切れですよ。


そりゃあブチ切れますよね。
褒めてもらおうとウッキウキで鎌倉に来ようとする馬鹿なんざ、腰越あたりでストップ、こっち来るな、帰れ!!って言ってやりたくもなります。
言われて驚いたのは義経。
なんでさ!?となって、腰越状をしたためるわけである。
ちなみに遙か3では神子のアイテムのひとつになる。
正直、ルビーパーティーの九郎への解釈は、あながち外れてはいない。
多分義経はあんな感じで、つねに空気読んでない
でも、当時としては義経の感覚の方が正常で、頼朝が異質だったのである。

日本で一番えらいの天皇家じゃん!そこからご褒美をもらって、兄上だって嬉しいでしょ?
それに、ほら、こんなに軍功をあげたよ!!
お父さんのカタキを討ったよ!
褒めて褒めて!!

義経にしてみれば、↑こういう感覚だったのでしょう。
だからこそ、兄が褒めもせずに自分を追い返し、あまつさえ殺されかかったことが、義経にはとうてい理解できなかったに違いない。


義経・・・お馬鹿な子・・・・・

そのほか、なぜ平家はここまで後世に悪印象を残したか?清盛にはできなかったこと(武士の成功)が、なぜ頼朝にできたのか?等、歴史的見地から素晴らしい解釈が展開し、息もつかせない内容だった。

そして崇徳上皇!!

遙かでは怨霊として有名な(笑)崇徳上皇ですが、これがまたすごい!!

明治維新、大政奉還をされた朝廷が、まず真っ先にしたこととは何か?
崇徳上皇の墓参りである。
なぜか?
いままで天皇家がないがしろにされ、幕府が権力をほこっていたのは崇徳上皇のたたりだと本気で信じられていたからだ。
なぜか?
・・・それは後白河法皇のじいちゃんにまで、話はさかのぼる。
そこには非常に複雑で悲しい物語が隠されており、その悲しみが深ければ深いほど、崇徳上皇をして「日本国有史以降、最初で最後、唯一天皇家を呪った人物」にする舞台が用意されてしまった・・・

結論


私が崇徳だったら、同じこと(呪い)するわーーーー!!


それらをいろどる政治的背景と、日本人に隠された「ひそかな宗教」等、その深い見識は、ひたすら感動の一言。

まだ前半しか読んでいないのだが、後半が楽しみでもあり、読み終えるのがもったいない。
久々に良本にめぐり合えた!!
まじで面白くてたまらない!!
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COMMENT
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 そーなんですよ……!
永井路子とか杉本苑子とかの本を読んでると、ホントそう思います。
軍事的才能はアホほどあるけど、政治感覚がゴッソリ欠如してるん
ですよね義経……。
義仲を追い落とした後、入京して人心をおさめるまでは良いとして、
朝廷と独自のパイプを作っちゃうのは義経の立場からいうと越権、
いや背信行為だし。
もっと言えば、他の坂東武者らに「源氏は朝廷から誉められるため
に戦ってる」という誤解を与えかねないですし。「報賞を与えてく
れるのは頼朝じゃなくて朝廷?」とか思われると、頼朝の棟梁とし
ての権を侵すことになる。目的意識や士気に影響するって意味でも
義経のとった行動はマズいというか。
あと義経はシモ系でも良くない噂があるので、ぶっちゃけ好きじゃ
ないのです。
でも『遥か3』の九郎、あまりのアホの子っぷりに「あ、だからな
んだ……!」と妙に納得した覚えがありますよ。「アホの子なら仕
方ないじゃない」と。

そして、個人的に崇徳は昔からヒーローです。御霊の中では崇道に
次ぐくらいのヒーロー。堪らない……!
赤駒 2008/11/07(Fri)08:54:36 編集
 まじでござりますか!!
まじでござりますか姉上ぇ!(@銀魂/新八)
私も永井路子は好きでよく読んでいたのですが「義経政治センスまるでないな…」とうすうす感じておりましたがまさかここまでとは。
義経が官位をもらったことをエサに、後白河も源氏側を次々と取り込もうとしていたし、まさに大天狗の思うツボでしたね。後白河…怖い子…。そりゃ頼朝激怒しますわな。
義経のシモ系って初耳なんですけど!よ…義経なにをしでかした!?;
なんか当時源氏側には「義経」という名前の人が二人いて、片方がものすっごい不細工で京の人たちに爆笑されていたらしいので、(九郎)義経不細工説もあったようですが、後年誤解が解けてよかったねと個人的に同情したりもしますが、でも本当に駄目な子でしたね我らが義経…

ってか崇徳、最初の頃は自分の出生の秘密をまったく知らなかったらしいんですよ。どうしてあんなに冷たい仕打ちをされるのか、本人にまったく理解できなかったであろうことを考えると、想像しただけで身が凍りそうです。祟るよ祟るよ、祟らなきゃ嘘ですよ!御霊信仰の根付くわが国では。
管理人。 2008/11/08(Sat)11:44:18 編集
 それ、何巻だったか思い出せない!
井沢元彦て、確か「新しい歴史を作る会」とかの人でしたよね。あの会、何か良いイメージないのですが……。
それはともかく、義経は自分の兄が「源氏の棟梁」であると同時に「ずっと朝廷から植民地扱いされてきた東国に住む武士団の旗頭」でもあることを理解できなかったんですよね。平家への復讐戦ていどにしか受け止めていなかった。
つっても兄ちゃん、事前に「勝手に朝廷から恩賞貰っちゃダメだよ」と言ってあるんですよね。朝廷にも「ウチはこういう方針ですから」と伝えているし。京育ちで東国の感覚は理解できなくとも、まともな政治感覚があれば絶対に恩賞を受けないはず。
東国武士団の結束を考えてのルールをよりによって身内中の身内に破られるわ、朝廷はその件以降まんまとバラマキを始めるわ、挙句「腰越状」……禁令違反への謝罪もなく「オレ悪いことしてないし。つか、その禁令おかしくね?」的な内容。あたしが兄ちゃんだったら情けなくて泣けてくると思います。『吾妻鏡』が鎌倉寄りとはいえ、義経は擁護しようがないほどマズいですね。見た目は『吾妻鏡』だけじゃなく『平家物語』でも「色白う背小さきが、向歯の殊に差し出て」とか、そんな描写でしたね。
シモ系は、今は史料が手元にないのでアレですが徳子だかを犯したってゴシップ。信憑性は低いと思うけど、義経の軽率な人間性がそういう噂を招いたのではという気もします。

あと崇徳がどっちの胤かってのも微妙だけど、実際に鳥羽から有り得ないくらい虐げられましたからね。また、ああまで呪ったのに「怨霊」としての実績はイマイチってか肝心の後白河を仕留めることができなかったところが更に悲しい。
ちょ、もっそい長くなってしまいました。申し訳ないですorz
赤駒 2008/11/09(Sun)00:54:43 編集
 私も・・・!(笑)
ちなみに「まだパンツはいてますか姉上ぇ!」は1巻でした。そんなことだけはガッツリ覚えている。
「新しい歴史を作る会」って、新しい教科書作ろうぜーとかやってるあの集団ですよね、私もイメージあんまり良くない。彼らの焦点でもある第二次大戦についての記述については、ものすっごくダークグレーゾーンだっていうのに、先にちょうど空自のトップがマル禁な論文発表しちゃって政府あわててガタガタやってますが、もうなんというか日本、自重。色々な意味で自重。とくに上層部。マジカンベン。そんな気持ちをいだきつつあるヲタクです。どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、世界の見てる前でその統率取れてなさ加減、始末の仕方がスマートじゃないの、全部丸出しでみっともなさすぎる。
腰越状は(偽作説もありますが)、あんなもんしたためている暇があったら官位を返上して出家すれば、兄上だって殺そうとまではなさらなかったろうに。それどころか「兄上を殺してもいいって言ってくれなきゃここで死んでやる!」と後白河をおどして院宣もらってるあたりあああああ空気読んでこの子ぉぉぉぉ!と、悶えたくなります。そうしたら大難破だしね。ほら、神様も空気読め言ってるよ義経…。
徳子うんぬんは初耳です;ひー。真偽の程はともかく、そんな噂を立てられているという時点で(少なくとも後世に残るくらいには流布したという点で)、どれだけ軽率な人と思われていたか。わんぱくでもいい、でも高潔であれ。

鳥羽(父)が崇徳(子?)のことを「叔父子」と呼んでいたらしいです。怖い、お父さんまるで消えない暖炉の火種のように怒りくすぶってる!;
白河の死後
崇徳(母:待賢門院)→近衛(母:美福門院)→後白河(母:待賢門院)
という変遷を経ているのがなんか泣けます。年齢から言ったら後白河が近衛の先に来るはずだったが、どうも生母がおきに召さなかったらしく。屈折した男(鳥羽)の愛憎。坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。これにより、異例の、兄(近衛)の後を弟(後白河)が継ぐという事態に。崇徳にしてみれば何が何だかわかりませんよね。ふつうそこはウチの息子か俺が返り咲くかだろ、と思っていたらなぜか後白河。
崇徳には、事実かどうかは別にして、出生の忌まわしい秘密を、生涯知らないままでいた方が救われるかもと思います。知ってしまったら、いたずらに絶望が増し、やりきれないだけで、人に対して怒りの方向が向かない気がする。彼には思う存分、無知ゆえの純粋な怒りで祟って(?)頂きたい所存。じゃないと悲しすぎる。
管理人。 2008/11/09(Sun)09:55:04 編集
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