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今日も生き恥さらします。 明日も生き恥さらします。 真の武士 ―オタク― になるために・・・。
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日々、好調に生き恥ばかりをさらしております。
ひゃっほう!!

いろいろと、私なりの、足りない頭で考えたのですが。
人がいる意味 って、きっと、そんなすごいものじゃないのでは、と。

というのも。たとえば。

祖母の葬儀のときに、親戚一同が集まりまして。
その中に、いつも陽気な叔母がおりまして。
正直、そんなに親しみを持っていたわけではなかったのですが、久々にお会いできたことが嬉しく、ごあいさつをさせていただきました。

その時からさかのぼって、20年以上前。
子供の頃、私と従姉達がマタタビを食べていました。
叔母は、そんな私たちに「マタタビの名前はどこから来たか、知ってる?」とたずねました。
そして語ってくれました。

「あるところに旅人がいました。お腹もすいて、ノドも乾いて、足も疲れて、クタクタでした。もう歩けない、もう旅はここまでだ、とぐったりとしたとき、目に映った木の実がありました。旅人は恐る恐る食べてみます。するとどうでしょう。渋いけれど、ほろ苦いけれど、とてもいい香り。ああ、ノドもうるおった。これはありがたい。神様の下さった実だ。ああ、ありがたい。旅人は言いました『これで また旅ができる』と。それが、マタタビの由来なのです」

当時おさなかった私たちは「また旅」=「マタタビ」の発見に感動。
おおおおっ!と、大喜びしたものでした。
それは子供にとって、十分、説得力のある、不思議なお話でした。
真偽の程はわかりません。
出典も知りません。
その話を耳にしたのは、それが最初で最後。


そして祖母の葬儀に話を戻します。
その叔母に、「私、未だにあの話を覚えてますよ。おばさんがしてくださった、マタタビのお話」と伝えました。
瞬間、叔母は、「雷に打たれたような」反応を示しました。
ビールを持つ手をとめ、絶句したのです。
そして、目をうるませていました。

「あの話、覚えてくれてたの?旅人がマタタビの実を食べる、あの話?本当に?」
「はい」
「あれはね、死んだ私のお母さんが、子供のときに私に教えてくれた話なのよ。覚えていてくれたの?こんなに大人になるまで?」
叔母が心の底から喜んでくれたことは、偽りなく伝わりました。
あんまりに叔母が嬉しそうで、本当に嬉しそうで。
あとでしみじみと思ったのです。
人は、誰かの話を聞く、たったそれっぽっちの、ささやかな事をするために生まれてきたのかもしれない。
そしてそれをいつの日か誰かに、伝えるためだけに、生きていくのかもしれない。
たとえばそれが、もしかしたらもっとくだらない事だとしても。

叔母のお母様も、叔母にその話を託して。
叔母はその話を、自分の子供や、私なんかに伝えてくれて。
私はそれを、幾多も聞いたさまざまな話の中から、記憶にとどめた。
それに意味はない。すごいことでも何でもない。奇跡でも何でもない。
でも、そんな、ちっぽけで、ささやかなことだけでも、私はこれをするためにあの日あそこにいたのかもしれない。
生きていく意味なんて、すごくゴリッパなものなんかじゃなくてもいい。
ささやかで、ちっぽけで、くだらなければくだらないほど、良いと思う。

正直、大切なこととは思えないささやかな話が。
母と娘の、大切な思い出の切れ端だったなんて、全然しらなかった。
そういうことは関係なく、誰かの話を、ただ、聞くだけ、そのために、私たちは生きているのかもしれない。

世界人類を救うとか、ものすごい特効薬を開発するとか、未知の生物を発見するとか、そういう誰が聞いてもすごい偉業を成し遂げることだけにしか生の価値が見出せないとは、どうしても思えない。
私は誰かのつぶやきを聞くためだけに生まれてきた。
それだけで、十分幸福だ。

いつか誰かが私の話したさり気ないどうでもいい話を、それもなるべく下らない話なんかを、たまたま死ぬまでずっと覚えてくれたりしちゃっていたら、それはもう、私が生きたということに、十分お釣りが来ると思う。

今日は暑いね、と笑った友人の横顔を、なぜかずっと覚えているんだよね、というような生き方がしたい。
時々思い出すのだけれど、貴方のあの口癖おかしかったと、50年後も言ってもらえるような。
そんな幸せな人生、素敵だと思う。

人が生きる理由なんて、生きていくべき理由なんて、そんなものでいいんじゃないかなと。
私は、思う。
貴方じゃなきゃ意味がない、アナタだからこそ、なんてスゴイ人生を目指さなくても。
誰も誰の代わりじゃないから、そんなのとっくにクリアしていると思う。そこにこだわらなくても。
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