結局、失恋した同僚は私のうすっぺらい言葉では慰められず(そりゃそうだろうけど)、悲しさのあまりに実家(茨城県)に帰ってしまいました。茨城からなら、ギリギリ通勤できるとのこと。2時間かかる。それでも、実家で家族と一緒にいると慰められるのだそうだ。
生きてると確かに辛いことはある。
どんなに辛くても、一生心に傷を負ったとしても、生きていけることを、私はもう知ってる。
だけどそれとこれとは話が別なので、慰める代わりに、女子会やろう!と、あらゆるメンツに声をかけて企画した。
個室がいいだの、値段はいくら以下で、駅から徒歩5分以内で、あれが食べられないこれがないと嫌だ・・・女のつける注文というのはクソ面倒くさい。
だったら自分で探せばいいのに、人に探させること前提でわがまま放題。人に探してもらうならツベコベ文句いうなよ、とうんざり。私が彼女らの彼氏じゃなくて本当に良かったと思った。毎回こんなこと言われてたら素でなぐるよ!意外と亭主関白だからね私!
私が彼氏だったら、問答無用でガードレール下の屋台のおでん屋に連れていくからね!
洗ったんだか不衛生なコップに、なみなみ日本酒注がれるようなお店で、でもホクホクの大根がたまらない、そんな屋台に連れてって文句言わせずに食わすからな!
トイレに行きたかったら、公衆トイレしかないような、雑居居酒屋とか連れて行くからな!
別件で、大学の友達とプチ女子会をやった。
チョコフォンデュが食べたい、というので、チョイスしてみた。
彼女とは、卒業してからの方が仲良くなったのだが(在学中はほとんど話さなかった不思議)、ものすごい渋い趣味があることが発覚。日本の城が好きなんだそうだ。
名前は失念したが、標高の高いところにある某城は、朝もやによく隠れることから「日本のラピュタ」と称されており、そこに行きたくて仕方ない、とチョコフォンデュをほおばりながら言うのである。面白すぎる。
そして彼女の彼氏さんを、この世で唯一見たのが私らしい。親にも、他の友達の誰にも紹介していないという。なぜピンポイントに私。
卒業してからけっこう経つし、何度も一緒に遊んだりしているのだが、「春雨ちゃんがこんなに面白いなんて知らなかった!」と変な再発見をされてしまった。じゃあ今まで面白くもないと思った女と何度も飯食ってたんかお前。
女の子って、面倒くさいね。
でも可愛いね。
自分では全然理解できない感覚で、一生懸命生きてる。
彼女たちを見ていると、もっと幸せにしてあげたくなる。
もっと笑ったところが見たくなる。
わがままを言われて、うっとうしいと思いつつも、叶えてあげられた時にちらっと見せる彼女らの笑顔が嫌いじゃない。
オンナノコ、というものに、言いようもない憧れを抱く。
今度生まれ変わったら、あんな風に可愛く笑える生き物として、生を謳歌してみたいものだ。
今生では、仕方ないので、このオッサンとしての業を持ちつつ生きていく覚悟だ。
オッサンだろうとオンナノコだろうと、どっちでもいいけど、今年はもうちょっと人に優しくしてあげられるゆとりが持てますように。