- 11/27 [PR]
- 04/04 かみさま、ありがとう・・・!
- 04/03 シヌカトオモッタ
- 03/27 ピュアな気持ちを忘れるとこうなる
- 03/21 アイガー北壁 ―Nordwand
- 03/21 赤たんが来たよ!!
Title list of this page
本社勤務、怖いし不安だしわけわかんないし・・・
でも一つだけ、本当に神様ありがとうって思ったことがある。
私の部署の役員さんが、以前ちょっとだけ秘書をやらせていただいた常務だった。
御病気を得たため、実動部隊から外れて、本社に在籍なさってたのだが。
思わぬところで再会となった。
わたしにとって、非力な自分が唯一最大に、して差し上げられることは「祈ること」だと思ってる。
ので、その方に、「健康祈願」のお守りを差し上げた。もう2年も前の話だ。
本社出勤初日、役員室に呼ばれた。
常務が笑顔で迎えてくれた。
「ガンが、再発したんだ」と、笑って仰った。
何も言えなかった。
固まってる私に、にこにこしながら「でも春雨さんがくれたお守りがあるから、大丈夫だよ」と、お財布から取り出してくれたのは、私が差し上げたあのお守りだった。
涙がとまらなかった。
すごく失礼だし縁起が悪いと思ったけれど、涙がとまらなかった。
役員室に一人でじっとしていると、(病気のこととかで)気分が沈むから、自分でお花を買ってきたんだ、と。
チューリップが『ペットボトル』に活けられていた。
お部屋のドアを開けた時、真っ赤なチューリップが目に入った。確かに。
それだけで、そこにあったかい灯りがともってるみたいに見えた。
怖くて不安な時、お花があるのとないのとでは、心細さの桁が、全然違う。
その気持ち、私も知ってる。すごく知ってる。
お部屋から下がって、3月まで常務のお世話をしていた前任の秘書さんに事情を説明し、花瓶はありますか?と尋ねたら、その人はあっけらかんと「あー常務、お部屋にお花かざってたよね。なにあれ、マイブーム?あえて触れないで知らん顔してたんだけど」と笑うんだ。
ひさびさに、他人に絶望したよ!!
どんな気持ちで、常務がお花を飾ってたか、察せとは言わない。
ご本人が、仰らないのならね。
でも、もうすこし、ほんのすこしでも、人を思いやる気持ちがあったら、ペットボトルで花を生けさせたままで、お客様がお部屋に入った時に恥をかかないようにって、思ってあげるのが秘書の役割じゃないの?
速攻、自分が使っていい備品の場所も知らない状況だけど、こりゃ急務だと思って、総務部に花瓶を貸してくれって頼んだよ。
すぐに綺麗なガラスの花瓶に、花を生けなおしたよ。
常務がすっごい喜んでくれて、でもそれが逆に悲しくて。
あなたくらい優しくて頑張ってる人なら、このくらい親切にされたって当たり前なのに、喜んでる場合じゃないよ!?と思って。
で、自身が病気で体調きつくて、薬の副作用で毎朝起きると体がきつくって、正直、命の瀬戸際にいるのに。
「困ったことがあったら、なんでも相談しなさい」と、芯からの笑顔で言ってくれた。
もったいなすぎるっつーの!
私のことなんて、一番どうでもいいっつーの!!
後で聞いたのだが、私の上司(取締役)を直々に呼びつけて「春雨を頼む、あの子は本当に俺を慕ってくれてるんだ」って仰ってたらしい。
上司は、そんなの勘違いでしょう、若い子は年寄なんか慕いませんよって思ったんだけどね、と冗談交じりに言っていたけど。
ふざけんな、あの人は本当に末端にも気を配ってくれる、唯一の役員さんなんだ気安く語るなこの野郎、と反感を覚えた。
しかも常務は、ご定年で、あと数カ月しか出勤なさらないらしい。
嫌な言い方かもしれないけれど。
だからこそ、私が全身全霊でお世話もうしあげても、周囲からは「媚」とは映らない。
自分の仕事や地位とは、無関係な位置にいらっしゃるし。
だからこそ、心のまま、したい分だけ、優しくしてさしあげても、誰からも文句は言われないし。
相手からも、疑われないでしょう。
この時期、そんなに心細い思いをしていらっしゃる常務のそばに、私を呼んでくれてありがとう、神様。
やっぱり、直接お世話してさし上げられる場所にいるのといないのとでは違うし。
私は、しょせん女で一般職だ、出世も関係ない。
クビもこわくない。
だからこそ、大好きな人を大好きなだけ気遣っても文句言われないし。
そんな寂しい状況に、大好きな恩人を置いたままで終わらせることにならなくてよかったよ。
神様、このとき、この場所に私を呼んでくれてありがとう。
そして、へろへろな私を支えてくれるすごくたくさんの人たちをありがとう。
私はいつだって恵まれ過ぎてもったいない。
死ぬかと思った・・・!
周囲にも「なんでそんな死にそうなの?」と聞かれた・・・!
息も絶え絶えの生活、スタート。
いままでの社会人生活が全部全部ぐるりと反転しました。
良くも悪くも。
ものすごいところに来ちゃった、誰も助けてくれないところに来ちゃった、前任者がいないから誰もが私を放置する、教えてほしいことは自分から聞かなきゃ絶対に教えてもらえないところに来ちゃった、何も知らないから、自分が「何を」見落としているのかもわからないところに来ちゃった、でも、この会社で一番大切な所に来ちゃった、でもそれは自分の実力を買われてではないゆえの配置で、だけど何もしないわけにはいかなくて、
すっかり体調を崩したけれど、休めるような状況じゃなくて、30分ごとにトイレに駆け込んで吐き続ける2日を経て・・・・
ようやくこうして休日を迎えました・・・
本気で一番、体調が悪かった・・・。
二日酔いかと思ってたけど、多分、本当に精神的なもので参ってたらしい・・・
俺もまだまだだな・・・。
そんな中、本当に、泣くほど嬉しいこともあって、嬉しいというかか悲しいというか、泣くほど寂しいというか
私を優しい生き物だって本気で信じてくれる人の優しさに救われたりして
心身ともにグルグルした激動の1週間でした。
結論から言うと、まだまだやります、やれます、だって漢だもん俺!!
自分のペースでいいんだよ。
他人に合わせなくていいんだよ、結局あなたはあなたなんだから。
ゴールは一緒なんだから、焦ってものんびりでもゴール一緒だから。
無理するのは大事な時にとっておいてね。
そして派遣さんも大変だ。
私が異動になるので、派遣さんが新しく来てくれることになった。
まあ業務の主なものは、先輩が引き継いでくれるのだが、そのほかの庶務をお手伝いしていただけるのだ。
というか・・・
私だったら100%この職場で働きたくない。
しかし、お局や無能上司のことなど何も知らない彼女に「この職場・・・嫌・・・」と思わせたらかわいそうなので、なるべくニコニコゆっくり丁寧を自らのテーマとして接していたら、生れてはじめて
「春雨さんって、しっかりなさってますね」
と言われた・・・!!!
しかし明らかにお世辞だったため、その場にいた先輩に「それは幻想」と切り捨てられた。
自分でもそう思ったけどさあああああ!!!
だって、「面倒見がいいですね。妹さんとか弟さん、たくさんいそう」とか言われたよ!!
なんだその世辞ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ
嬉しいからやめてくれええええええ!!
周囲から、ゴルフを始めろ、と大プッシュをうけております。
今までの人生で、もっとも避けていた部分。
運動音痴・ゴルフ場に行く足もない・周囲にゴルフ人口がいない(基本4人でするから人がいないとプレイできない)=はじめても無駄
という理由でずっと却下していたのですが、そうも言っていられなくなってきた。
「とりあえずどんなものか気分だけでも!」と、生れて初めてゴルフバーに連れて行ってもらった。
ますます、できる気がしなかった。
これは、死ぬほど柳生(紳士の方)に萌えない限り、やる気が起きねえ!!
その後、おなかが減った!と、ラーメンを食べに行くことになったのだが、メンバーの一人が「近道で行こうぜ!」と言いだし・・・
あからさまな、ホテル街に突入。
(本人は真面目に近道をしようとしたらしい)
右も左もよくもまあってくらいにホテル一色。
男性陣が、微妙に焦りだす。
そんなつもりはなかった・・・!どうしよう!まじごめん・・・!!!
と、ものすごい速度で謝られ、気を使われ、みんなが無駄に焦ったため、しまいには迷子になる。
ごめん!!!本当にごめん!!ちょっ・・・まじごめん!!
見ていてかわいそうなほど焦っているので、気を使って
「大丈夫ー。どっちにしろ私、今日はできない日だから」と言ってあげたら・・・・
男性陣に、めっちゃ怒られた。
理不尽だ。
冗談でもそういうことを女が言うな!!と。
こっちが気をつかって言ってやったのに!!なんだよだったら連れてくんなこんな道!!とぎゃんぎゃんケンカを始めましたが、なんとかラーメン屋にたどりつき、男性陣から「気まずい思いをさせたお詫び」ということで餃子をおごってもらったが、フェア中だったので餃子一皿100円。
あんなに怒られたのに、私が捨てたプライドは100円らしい。
映画館で悲鳴を上げた。
幸い、のどがかすれるだけで声は出なかった。
映画館で、我を忘れて叫ぶなんてこと、今まで一度もなかった。
登攀史上最大の悲劇と語られる実話をもとにした、1936年の事件。
当時はまだ前人未到であった「殺人の壁」アイガー北壁。
その、初登頂をかけた死と隣り合わせの挑戦。
もし、これが戦時中でなければ。
時代が、政治が、人々の欲が、彼らを追い詰めることはなかった。
その事実が、身を切るようにやるせない半面
『これが事実であればいい』とも強く思う。
死者は何も語らないけれど、もし、ロープを切った理由が、一人だけが最後まで立っていた理由が、映画のとおりでないとしたら、あまりにも辛すぎる。
どうか、この映画のとおりであってほしい。
最後にヒロインが、彼らの登頂をお祭り騒ぎに仕立てようとしていた人間に、「あなたみたいな人達はもうたくさん」と言うのだが、たとえば、私のように山岳に対してまったく無知な人間でも、この映画を見れば、必ず同じことを思うだろう。
息をのむほどリアルな映像、等身大の人間模様、祈るもの、祈られるもの、祈りが届かない絶望の瞬間。
「初登頂成功者」は、歴史に名が残るが、こうやって消えていった命がいくつもあった上での「初」なのだと、改めて思い知りました。